出会いの「体感温度」

みなさまに、よく不思議に思われることがあります。
「三重の港町で育った三鬼さんが、なぜ和歌山でお店をはじめたの?」

今から25年ほど前、大阪のホテルから「和歌山マリーナシティ」への出向を命じられたことが、和歌山との出会いでした。
そして開設準備室のチーフパティシエとして、和歌山市を中心とした洋菓子店の実態や、原材料となる食材を調査する日々がはじまりました。

みかん、レモン、桃、柿、いちじく、梅、キウイフルーツ、いちご…訪れる先々で、色とりどりのフルーツに出会える和歌山。
そんな自然豊かな環境で、熱心な生産者さんや穏やかな人々が暮らしている和歌山。

地元の方々と言葉を交わし、和歌山という地にどんどん触れていくなかで、理屈ではない感情が湧き上がったのです。

「いつか和歌山で店を出したい。和歌山産のフルーツを使ったお菓子をつくってみたい。」

和歌山のフルーツと土地の力に突き動かされて、今のMikiがあります。
この「ただただ好きだ!」という衝動的な感覚は「体感温度」としか言い表せないもの。

ヒト。モノ。コト。すべてとの出会いにおいて「体感温度」を大事にする。
それは、何かに迷ったときの道しるべとして、2003年の開業当初から、Mikiの根底にずっと流れています。