奥村農園いちご

初めて出会ったイチゴのおいしさ

ケーキに使われるフルーツといえば?と聞かれて、まずイチゴを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
Mikiでも、イチゴを使ったショートケーキやバースデーケーキは定番人気。
その人気を支えてくれているのが、奥村農園さんのイチゴです。

奥村農園の奥村さんとの出会いは、今から7年ほど前。
直接お電話をくださり、その日の朝に採ったばかりのイチゴを持ってきてくださいました。
そのイチゴの、なんとおいしいこと!もぎたてだからこその、口いっぱいに広がるフレッシュで豊かな甘さと香り。
このイチゴを使ったお菓子がつくりたい。一粒食べてすぐに、奥村さんにお取引を願い出ました。

嘘のない、誠実なものづくり

お付き合いをするうちにわかったのは、奥村さんのイチゴのおいしさは鮮度だけが理由ではないということ。
イチゴ栽培のすべてに、奥村さんの実直な想いと姿勢が詰まっているのです。

まず驚いたのは、5反ほどの立派なハウスを、ご家族で力を合わせて手づくりされたということ。
そのハウスの中には、奥村さんオリジナルブレンドの培養土が入ったプランターが並び、これまた手づくりされたセイヨウバチの巣箱が置かれています。
愛情をかけてハチを育て、自然に近いかたちで受粉してもらうことで、そのまま食べられるほど安全で甘いイチゴができるのだといいます。
また、常にハウス内の温度などをチェックし、イチゴにとって最適な環境を管理。
昨年には新しい機械を導入されるなど、いつも「もっとおいしいものを」と熱意を注がれています。
この丁寧で真摯な仕事ぶりが、見事なほどふっくらとおいしいイチゴを実らせているのです。

イチゴ栽培は休みがなく、365日絶え間なく作業が続くといいます。
そんななかでも、直接顔を合わせ、声を聞く商売にこだわる奥村さん。
どんなに忙しいときも、必ず採れたてのイチゴを自ら配達し、「義理ちゃうで、家族が喜ぶから」とケーキを買っていってくださいます。
また、少しでも出来に自信のないイチゴは、絶対に売らないというポリシーも。
その誠実で裏表のない人柄に触れるたびに、私たちはますます信頼と感謝を深め、ずっとお付き合いを続けていきたいと心から思うのです。

使命の重みと感謝が、力になる

人の「味わい」は、そのままつくられたものの「味わい」になる。
いいものをつくる人たちは、必ず人柄もすばらしい。
奥村さんとのお付き合いがいつの間にか家族ぐるみになる中で、私たちはそのことを何度となく感じてきました。
今、奥村農園では、奥村さんと息子さんがアイデアを出し合いながら二人三脚でイチゴをつくられています。

真面目にコツコツと、次世代へも目を向けながらものづくりを続ける生産者さん。
私たちMikiの使命は、その想いに恥じないお菓子をつくり続け、地元のフルーツの価値を高めること。
そして、「生産者さんとともにありたい」という私たちの想いに共感し、応えてくださる方々への感謝を忘れないこと。
町場のパティシエならではの使命の重みと感謝こそが、私たちのお菓子づくりの力となっています。

パートナー

奥村農園奥村利昭さん

うちはもともと、桃や柿、キウイ、みかんを栽培する果樹農家でした。
果実が樹にならないオフシーズンにも収穫できるものを、と25年ほど前に一反の土地からイチゴ栽培を始めたものの、コストがかかる、売り先が見つからないといった理由で、いつしか近所でイチゴを栽培する農家さんはゼロに。
でも、どうしてもイチゴをつくりたい。つくれるものは自分たちでつくって投資を抑え、試行錯誤を重ねながら環境を整えてきました。
いちばん頭を抱えたのが、売り先の問題。
自分で探すにも限界があるし…と悩んでいたところ、近所に住む親戚たちから「おいしいケーキ屋さんがあるよ」と教えてもらったのがMikiさんでした。
私自身はケーキというものを食べたことがなかったんですが、家族も「おいしい!おいしい!」という。
それならひとつ飛び込みで営業してみようとお店にお邪魔したら、快く取引を約束してくれました。
週に2〜3回、朝に採ったイチゴを選別してキレイにし、Mikiさんのところへ持っていく。
Mikiさんが「そのまま」の味を活かしたケーキをつくってくださる。
「そのまま」お客さまの口に入るものだから、きちんと顔を合わせて、自信を持って売りたいんです。
Mikiさんは、そんな私の気持ちに共感して、いつも親身になっておもしろい提案をしてくださいます。
今では息子が6代目として協力してくれていますが、息子の代、その次の代と、末長くMikiさんとお付き合いしていきたいです。


奥村農園
住所:和歌山県伊都郡かつらぎ町寺田217 TEL:0736-22-2012
ホームページ: