的場農園みかん・マンゴー

はじまりは、小さなマンゴー

「有田市でマンゴーをつくっている人がおるんやけど、会ってみてくれへんか?」
そんな知り合いからの電話が、的場さんとの出会いのきっかけでした。
「もちろん、お待ちしています」と返事をしたところ、マンゴーを詰めた段ボールを抱えて、的場さんがやってきました。
いわゆるマンゴーより、ひとまわりもふたまわりも小さなマンゴーでしたが、食べさせてもらうと、驚くほど濃厚でおいしかった。
ところが、紹介してくれた知り合いが言うには、なんと的場さんはみかん農園。
どうしてみかん農園でマンゴーを?とたずねると、こんなお話を聞かせてくださいました。

的場さんの人柄に惚れて

「みかん農家も私で7代目。400年あまり続く有田のみかんを、なんとか次の世代へつなげたい。
でも天候に左右されやすく、廃棄ロスも多いみかんだけでは、もうやっていけない。
どうにかしなければと思い悩み、4年前にはじめたのがマンゴーのハウス栽培です。
ハウスを建てる土地をつくるためには、みかんの樹を切るしかない。
そこで大切に育ててきたみかんの樹を8本、塩とお酒で清めつつ、『ごめんなさい、ごめんなさい』と1本ずつ声をかけながらノコギリで切りました。
そうしてつくりはじめたマンゴーも、サイズが小さいために買い手が見つからず、あちこち訪ね回った末に、Mikiさんに会いにきたんです。」

先祖代々受け継がれ、ご自身を育ててくれたみかんの樹を切るのは、本当につらいことだったと思います。
でも、そんな想いをして育てたマンゴーも、買い手が見つからないと廃棄せざるをえず、いつも地中に埋めていたというのです。
そのお話を聞いたときに、「この人と付き合っていこう!」「この人がつくるフルーツを、どうにかしておいしく食べてもらおう!」と心に決めました。

これからも、的場さんの想いをのせて

こうしてはじまった的場さんとのお付き合い。
マンゴーを惜しげもなく使ったタルトや、小さなキズのせいで廃棄されるみかんを使った「みかんシェ」、摘果した青いみかんを使ったケーキ「運動会のかおり」など、的場さんのおかげで、他にはないMikiならではのお菓子がたくさん生まれました。
的場さんがつくるフルーツは、お付き合いをはじめた頃から変わらないおいしさ。
あの頃は小さかったマンゴーも、今では見事な大きさに育っています。

農家をつづけることは、本当に大変だけれど、おもしろい。
もっとたくさんの人に、和歌山のフルーツの、本当のおいしさを知ってもらいたい。
そんな的場さんの想いをのせて、Mikiはこれからも新しいお菓子をつくりつづけていきます。

パートナー

的場農園的場秀行さん

Mikiさんをはじめて訪ねたときのことは、今でも覚えています。
開店からまもなく慌ただしくされているなかで、奥さまが「いらっしゃい」とニコニコして迎えてくださり、マンゴーを食べた三鬼さんが大きな声で「おいしいなぁ!」と。
そして「使えるかどうかわからんけど、やるだけのことはやってみます」と言ってくださったんです。
その言葉を聞いたときに、「これでダメやったら、もうええわ」と思いました。
三鬼さんに託して、それでもうまくいかなかったら、もうあきらめようと。
後日、三鬼さんが持ってきてくれたマンゴーのタルトを食べた瞬間、「うちのマンゴーってこんな味やったっけ!?」「めちゃくちゃおいしい!」と、感動と感謝で本当に胸がいっぱいになりました。
それからも「廃棄ロスになっているみかんをどうにかしよう」「摘果したみかんをなにかに生かせないか」と、いつも三鬼さんは農家の立場に立って、いろんな提案をしてくださいます。
Mikiさんにかかれば、どんな素材も見違えるようにおいしいお菓子になるんです。
これからも、Mikiさんの魔法をかけてもらって、たくさんのおいしいフルーツを楽しんでいただきたいと思っています。


的場農園
住所:有田市宮原町須谷268 TEL:0737-88-7735
ホームページ: