vol.1|捨てられる運命の、おいしいみかんたち


約23%。これは、手塩をかけて育てられたにもかかわらず、廃棄されてしまう有田みかんの数。
サイズが大きくキズひとつないA 級品、少し小さいけれどキレイな状態のB 級品、そして、キズがついてしまったC 級品。
どれも味に変わりはないのに、B 級品・C 級品と判断されたみかんは、通販の箱詰め商品やジュースの原料として破格の値段で売り出され、売れ残ったものは廃棄されてしまいます。
もちろん、廃棄するにもお金がかかる。でも仕方がないと、農家さんは行き場のない何トンものみかんを、お金をかけて捨てているのです。

和歌山の有田市は、国内でも屈指のみかん産地。
ブランドとも言える有田みかんの背景には、この廃棄ロスに苦しむ農家さんたちの存在があります。

そんなみかん農家の実情を教えてくれたのが、「Le Patissier Miki」オープンの1 年後に出会った的場農園さん。
「廃棄してしまうみかんも、有田みかんです。本当においしいんです。どうにかして、このおいしさを広く知っていただけるようなお菓子を使ってもらえへんかなぁ。」
的場さんの切実な言葉から、「みかんシェ」づくりへの道がはじまりしました。